# ---- Kifu for Windows V6.29 棋譜ファイル ---- 開始日時:2011/08/06 10:45 終了日時:2011/08/06 12:22 棋戦:第5回日レス杯準々決勝 持ち時間:0時間40分 消費時間:98▲40△40 場所:ホテルJALシティ田町 手合割:平手   先手:鹿野圭生二段 後手:中井広恵天河 手数----指手-- *本局は第5回日レスインビテーションカップ準々決勝の中井広恵天河−鹿野圭生二段戦。持ち時間は40分(チェスクロック使用)。使い切ると1分将棋(60秒未満の秒読み)。 *対局開始予定は10時45分。東京都港区にある「ホテルJALシティ田町」にて行われる。準々決勝4局一斉の公開対局。 *振り駒の結果、と金3枚で鹿野二段の先手に決まった。 *(棋譜・コメント入力=銀杏) 1 7六歩(77) *鹿野二段の左手が舞って(左利き)対局が開始された。 2 3四歩(33) *中井広恵(なかい・ひろえ)天河は1969年6月24日生まれ。北海道稚内市出身。LPSA番号は7。LPSAのエグゼクティブアドバイザーとして運営にも携わる。 *81年4月、女流2級。11歳10ヶ月のデビューは、当時の史上最年少記録。86年、第12期女流名人位戦で初タイトル獲得。93年、第7期竜王戦で男性棋士から公式戦初勝利を挙げる。 *居飛車党で攻守にバランスのとれた棋風、得意戦法は矢倉。 3 6六歩(67) *鹿野圭生(かの・たまお)二段は1961年11月1日生まれ。香川県高松市出身。LPSA番号は8。松山商科大学(現松山大学)在学中に学生女流棋界で活躍した後、1984年に育成会入会。得意戦法は四間飛車。関西女流棋界の「姉御」的存在で親しまれている。 4 8四歩(83) *本棋戦はLPSAと日本レストランシステム株式会社が主催になって行われている。 *日本レストランシステム株式会社は多業態型レストランチェーンの経営や輸入業および輸入品の販売を行っている。 *http://www.n-rs.co.jp/index.html 5 6八飛(28) *鹿野二段は得意の四間飛車へ。 6 6二銀(71) *本棋戦の協賛は株式会社トーエル、キリンビール株式会社、中沢乳業株式会社の3社 *株式会社トーエルはプロパンガスや、ハワイウォーターやアルピナウォーターの販売。 *他にエアコンのクリーニングなどのホームサービスを行っている。 *http://www.toell.co.jp/ 7 4八玉(59) *キリンビール株式会社は日本の大手酒造メーカー。ビールの他にもチューハイやウイスキー、世界初のノンアルコール飲料の「キリンフリー」などを販売している。 *http://www.kirin.co.jp/ 8 5四歩(53) *中沢乳業株式会社は生クリームや飲むヨーグルトなどを販売している。 *http://www.nakazawa.co.jp/ 9 3八銀(39) *鹿野二段は過去4回とも1回戦負けだったが、今回は1回戦で山下カズ子五段を破った。 *戦前に「勝ち星に恵まれていない棋戦で、相手は強敵ですが、一生懸命指したい」と話していた。 *【第5回日レス杯1回戦▲山下カズ子五段−△鹿野圭生二段】 10 4二玉(51) *中井天河は過去4回の日レス杯で3回優勝している。敗れたのは第3回の対成田弥穂アマ戦の1局のみ。 *戦前に「いつも『中井さん、もっと活躍しないと』と日レスの大林会長から発破を掛けられています。今日は良い将棋を指せるよう心掛けたい」と述べた。 *【第4回日レス杯決勝▲中井広恵六段−△石橋幸緒天河】 *http://shogi-broadcast.com/kifu/nrs4_5-1.html 11 3九玉(48) *鹿野二段の本年度の公式戦成績は1勝3敗(0.250)。通算成績は118勝215敗(0.354)。 12 3二玉(42) *中井天河の本年度の公式戦成績は7勝6敗(0.539)。通算成績は546勝261敗(0.677)。 13 1六歩(17) *会場に配られているリーフレットによる対戦の見どころ。 *「今年度の中井天河は年度末の「大和証券杯女流ネット最強戦」で里見香奈女流三冠を破って3連覇を達成した後、4年ぶりのタイトル戦線への登場が期待されましたが、夏場に来て倉敷藤花戦、女流王座戦と続けて敗退。女流名人位戦A級リーグも残留争いにおり、調子が下降気味です。それだけに相性の良いこの日レス杯を制し、秋からの巻き返しに転じたいところでしょう。 *対する鹿野圭生二段は4月に二段昇段を果たしました。若手の活躍目覚ましい関西女流棋界で厳しい戦いが続きますが、まだまだ鍛えの入った振り飛車で存在感を示してほしいところ。関西のファンの期待を背負って優勝候補の大本命にぶつかります。 *戦型は鹿野・四間飛車VS中井・左美濃が最有力。両者の力が最も出やすい形での真っ向勝負が予想されますが、どちらかが変化に出る可能性もあります」 14 5二金(61) *△1四歩から△2四歩と突けば中井天河得意の左美濃に進むところだった。 15 7八銀(79) *大盤解説は早咲誠和アマが務めている。アマ竜王やアマ名人などアマ大会での優勝多数。公式戦でプロにも勝っている。第24期竜王戦ではプロに3勝挙げた。 16 5三銀(62) 17 6七銀(78) 18 3三角(22) *中井天河は穴熊模様の駒組み。 19 2八玉(39) 20 2二玉(32) 21 6五歩(66) *鹿野二段は積極的な指し回し。△4四歩と突けば、▲6六銀から▲7五銀を狙う。 *また、△8五歩▲7七角の交換がないことをとがめている意味も。その2手が入っていると、△7七角成▲同桂△8六歩と8筋を攻められてしまうところだった。 22 8八角成(33) *2分ほど考えて着手。 23 同 飛(68) 24 1四歩(13) 25 7七桂(89) 26 3二銀(31) *バランス型の中井天河。居飛車穴熊模様だったが、角交換になったため左美濃に構えた。穴熊は陣形が偏って、角の打ち込みが生じやすい。 27 7八金(69) *▲8六歩から▲8五歩を狙っている。 28 4四歩(43) *時刻は11時。準々決勝は公開対局とあって、静かな対局室に10人ほどの観戦者が訪れ、張り詰めた空気の中の対局を見守っている。 29 8六歩(87) *▲8五歩からの攻めを狙っている。中井天河は隙のない陣形に構えたいところ。 30 7四歩(73) *5分ほど考えて着手。 31 8九飛(88) 32 4三金(52) 33 5六歩(57) 34 4五歩(44) *11時10分ごろ、消費時間は鹿野10分、中井16分。 35 6八金(78) *▲8五歩を見せ手にじっくりと駒組みを進める。中井天河は隙を作らず、先手陣にプレッシャーをかけたいところ。 36 2四歩(23) *鹿野二段は扇子を左手に持って前傾姿勢。顔を盤に近づける。 37 9六角打 *鹿野二段は珍しい筋で局面を打開しにいった。升田式石田流で升田幸三実力制第四代名人が9六に角を打っていたが、この場合も名角として働くかどうか。中井天河が座り直す。 *角を打たれてみると、後手は▲7四角が受けにくい。△9二角としても、▲7五歩△同歩▲6三角成という筋がある。鹿野二段は扇子をひざの上で立てる。中井天河は8分ほど考えている。意表を突かれたか。 *※▲6八金の前に▲9六角もあったか。△7二飛▲8五歩△4六歩▲同歩△7五歩▲同歩△5七角が検討されるが、「ちょっとさえないですか」と中井天河。 38 3五角打 *9分ほど考えて自陣角で返した。中井天河は角を打って席を立つ。 39 5八金(68) *※▲5八金上も検討された。後手の忙しい展開だった。 40 4四角(35) *7七桂を浮かしてからの△4四角は巧妙な指し回し。 41 6八金(58) *△3五角に▲5八金寄だと千日手になってしまう。▲5八金上と受けるのだろうか。 42 3五角(44) 43 5八金(68) *おっと。 44 4四角(35) *鹿野二段が後ろにのけぞるしぐさを見せた。 *▲6八金以外には▲7八銀も見えるが、7七桂の頭が薄くなってしまう。 45 7八銀(67) *11時40分になろうとしている。残り時間は鹿野22分、中井9分。 46 7二飛(82) *小さな駒音で指された。先手は7筋が薄い格好だ。 47 6七金(58) *金で7筋を守る。 *▲6七金で▲8五歩は△7五歩と攻められてしまうところだった。歩が邪魔で▲6三角成とできない。 *※▲8五歩△7五歩▲8四歩△7六歩▲8三歩成△7五飛▲7二と△7七歩成▲8一飛成△7八との展開は先手が苦しいようだ。銀損が痛い。 48 9四歩(93) 49 6九銀(78) *対局開始から1時間。他の対局は中盤戦に入っているところも多いが、本局はじっくりした進展だ。 50 9五歩(94) 51 7八角(96) *▲6九銀で角の逃げ場所を作って、▲8五歩を狙っている。 52 7五歩(74) 53 同 歩(76) 54 同 飛(72) 55 7六歩打 *鹿野二段は鋭い視線で盤面を見やる。 56 7四飛(75) 57 8五歩(86) *パシッと鹿野二段の駒音が響いた。このまま8筋を突破できれば先手が指せる局面だ。中井天河は少々忙しい。 58 7三桂(81) *中井天河はきれいに駒を活用していく。 59 8四歩(85) *えいっという手つきで取り込んだ。 60 8八歩打 *中井天河の将棋はきれいに駒がさばけることが多い。△8八歩に▲同飛なら△6五桂のジャンプが利く。 61 同 飛(89) 62 6五桂(73) 63 6六歩打 *鹿野二段はここをしのげば、▲8三歩成からチャンスが多い。 64 7七桂成(65) 65 同 金(67) *時刻はもうすぐ12時。△5七桂と▲8三歩成が見えている。どちらが厳しいか。 66 3五角(44) *ヒョイッと角を出す。△7九角成が受けにくそうだ。 67 8三歩成(84) 68 7九角成(35) 69 8五飛(88) *中井天河はここから1分将棋。鹿野二段は残り6分。 70 5七桂打 *厳しい両取り。鹿野二段が残り少ない持ち時間をつぎ込んでいる。 71 7五歩(76) 72 9四飛(74) 73 8四と(83) 74 9二飛(94) *自然に指し回す。先手陣は7八角がかえってお荷物となりそうな局面だ。 75 5五歩(56) *駒損するのは仕方がない。さばきにかける。 76 4六歩(45) *鹿野二段も1分将棋に入った。 *△4六歩は味付け。▲同歩と取らせれば、馬を活用させやすい。 77 5八銀(69) 78 4九桂成(57) 79 同 銀(58) 80 6八馬(79) *7八が歩なら、なんということもなかったのだが…。 81 5四歩(55) 82 同 銀(53) 83 5六角(78) 84 7七馬(68) *後手の大きな駒得となった。陣形も堅く、後手優勢と見てよいだろう。 85 9二角成(56) 86 同 香(91) 87 7四と(84) *攻めを狙うが、後手玉はまだ遠い。 *鹿野二段は右手にある扇子をぎゅっと握りしめる。 *中井天河は落ち着いた様子で盤面を見据えている。 88 6七馬(77) 89 8一飛成(85) 90 4七歩成(46) *筋に入ってきた。 91 8二飛打 *二枚飛車は厳しい攻めだが、まだ詰めろになっていない。 92 3八と(47) 93 同 銀(49) 94 3九銀打 *華麗な捨て駒が出た。▲同玉には△4八金▲同玉△5七角の筋がある。 95 1八玉(28) *▲同桂は△2八金まで。 96 1七金打 97 同 玉(18) 98 2八角打 *ここで鹿野二段の投了となった。以下、▲1八玉△1九角成▲1七玉△2八馬▲2六玉△2五金まで。終局時刻は12時22分。消費時間はともに40分(チェスクロック使用)。勝った中井天河は準決勝で蛸島彰子五段−△山口真子アマの勝者と対戦する。鹿野二段が他の対局に配慮して、小声で「角が働かなかった」と話して感想戦が始まった。 *大盤解説会場にて「角交換後、すぐに△4五歩〜△4四銀としたかったが、▲7一角や▲8五歩が気になって指し方がなかなか難しかったです」と中井天河。 *鹿野二段は「▲9六角は△7四歩のときに狙っていました。相手を見ないようにしたかったのですが、対局テーブルが高くて(笑)「ああ、中井さんだ」と思うことありました」とジョーク交じりで話していた。 99 投了 まで98手で後手の勝ち