# --- Kifu for Windows V6.40 棋譜ファイル --- 開始日時:2011/08/21 10:45 終了日時:2011/08/21 11:43 棋戦:第3回中学生女子名人戦・全国大会1ラウンド 持ち時間:0時間30分 消費時間:95▲20△29 場所:東京「共同通信社 研修・交流センター」 手合割:平手   先手:頼本奈菜さん 後手:中澤沙耶さん 手数----指手-- *第3回中学生女子名人戦・全国大会1ラウンド。持ち時間はチェスクロック使用で各30分、秒読みは30秒。組み合わせ抽選の結果、第1ラウンドは頼本奈菜さんと中澤沙耶さんが戦うことになった。午前10時40分、頼本さんが玉将を持って5九の位置に据えた。両者とも大橋流で駒を並べている。対局開始は10時45分の予定。 * *(棋譜・コメント入力=東湖) *※=感想戦コメント 1 7六歩(77) *振り駒の結果、頼本さんの先手番となった。 *頼本奈菜さん(東京都・3年生)は東京大会で優勝して本局に臨んでいる。得意戦法は四間飛車。 2 8四歩(83) *後手番は名古屋大会優勝の中澤沙耶さん(愛知県・3年生)。第3回女子アマ王位(2010年)、第2回中学生女子名人戦準優勝の実績を持つ居飛車党。 3 6六歩(67) *会場は共同通信社の研修・交流センター。すぐ近くを隅田川が流れている。朝から降り続く雨の影響もあってか普段より水量が多い。川岸では、東京の都鳥である「ユリカモメ」が羽を休めていた。 4 6二銀(71) *共同通信社は国内外のニュースや写真を全国の各メディアに提供・配信している。対局場には共同通信社が提供した過去の写真が飾られており、日本の歴史に囲まれての対局という趣きがある。たとえば記者の後ろには「平成」と書かれた額縁を掲げる故・小渕恵三官房長官(当時)の写真が飾られている。 5 7八銀(79) *対局開始前、一般社団法人日本女子プロ将棋協会(LPSA)の理事である石橋幸緒女流四段が挨拶した。 *「今日一日を楽しんでください」 6 5四歩(53) *中澤さんは名古屋大会の決勝で脇田菜々子さんと対戦した。序盤で竜を作られて苦しい戦いを強いられたが、粘り強い指し回しで逆転して全国大会への切符を手に入れた。 * *【名古屋大会▲脇田さん−△中澤さん】 *http://shogi-broadcast.com/kifu/110730_cjm.html 7 6七銀(78) *頼本さんは東京大会で優勝。優勝決定戦となった永井さくらさんとの一戦では、クラシックな▲四間飛車(頼本さん)vs△居飛車急戦(永井さん)となり、頼本さんが四間飛車らしいカウンターを見せて快勝している。 * *【東京大会▲頼本さん−△永井さん】 *http://shogi-broadcast.com/kifu/110619_cjm.html 8 8五歩(84) 9 7七角(88) 10 3二銀(31) 11 8八飛(28) *頼本さんは向かい飛車に構えた。 12 3一角(22) *対する中澤さんは引き角戦法。 13 4八玉(59) 14 5三角(31) 15 3八銀(39) 16 4二玉(51) 17 3九玉(48) 18 3一玉(42) *お互い玉の囲いを急ぐ。薄い玉形から速攻を仕掛けるのは早指し戦では勝ちにくい。 19 1六歩(17) 20 1四歩(13) *1筋の突き合いもノータイム。この辺りは形である。 21 2八玉(39) 22 5二金(61) 23 7八金(69) *向かい飛車の定番の形。玉を固めるよりもバランスを重視している。 * *※飯島流引角戦法には▲5八金左も有力。 24 2二玉(31) 25 5六銀(67) 26 4四歩(43) 27 6五歩(66) 28 4三金(52) *ノータイムの指し手が続く。対局が始まって、ここまでわずか3分。 29 4六歩(47) 30 7四歩(73) 31 6七金(78) *頼本さんは▲4八飛の転回を見ているようだ。 32 5一銀(62) *中澤さんの金銀が4枚集結した。攻め駒は少ないが、うまい仕掛けがあれば自玉の堅さで優位に立てる。 33 4八飛(88) 34 8六歩(85) *8八の飛車が移動した瞬間に仕掛ける。 35 同 歩(87) *△8六同角なら▲8八飛と戻すのだろう。 36 7三桂(81) *△8六同角▲8八飛の展開はイマイチと見た。桂馬を跳ねて力を溜める。 37 4五歩(46) 38 同 歩(44) 39 同 銀(56) 40 8六角(53) *午前10時53分、残り時間は▲頼本さん27分、△中澤さん25分(持ち時間は各30分。チェスクロック使用)。 41 6六角(77) *▲8八飛は△7七角成▲8二飛成△6七馬で先手は駒損になる。39手目に▲4五同銀と出ているため、6七金にヒモがついていないのが痛い。 * *ここで中澤さんが時間を使っている。 42 4四歩打 *中澤さんは4筋に歩を受けた。ここは数で負けているところだが…。 * *※代えて△6五桂は▲4四歩を気にしたと中澤さん。 43 同 銀(45) 44 同 金(43) 45 同 角(66) 46 4二飛(82) *間に角を挟んで飛車が向き合う形は、角がいる方(つまり先手)が指しにくい形と言われる。しかしここでは▲8七歩が良い手か。以下△9五角▲9六歩△8四角に筋悪く▲8三金で角が詰む。 47 5六金(67) *▲8七歩は見送った。頼本さんは筋良く遊び駒を活用していく。 48 4七歩打 *飛車の頭を叩く。▲同飛は△6八角成。 * *午前11時8分、残り時間は▲頼本さん24分、△中澤さん13分(持ち時間は各30分。チェスクロック使用)。 49 同 飛(48) 50 6八角成(86) 51 4三歩打 *お返しとばかりに頼本さんも飛車の頭を叩いた。△4三同銀は▲5三角成がある。 52 同 飛(42) 53 5三金打 *これで後手は飛角交換が避けられない。 54 4四飛(43) 55 同 飛(47) 56 3五角打 *午前11時13分、残り時間は▲頼本さん23分、△中澤さん9分(持ち時間は各30分。チェスクロック使用)。 * *※「3五角をボカす意味で、▲4一飛成△同銀に▲4三金や▲8二飛はどうですか?」と石橋女流四段。それはお互いに飛車を打ち込んで難しい展開になるようだ。 57 4五金(56) *1分ほど考えて飛車を逃げずに援軍を送る。頼本さんは時間を残しているが決断が早い。 58 4四角(35) 59 同 金(45) 60 4八歩打 *美濃囲い崩しの歩。▲4八同金で△7九飛が△3九銀の先手になる。 61 同 金(49) 62 6九飛打 *飛車を打ち込んで中澤さんも元気が出てきたか。 63 4九歩打 64 6五桂(73) *気持ちの良い跳ね出し。これで後手は攻めに困らない。 65 4三金(53) 66 4二歩打 67 3二金(43) 68 同 玉(22) *△5七桂成より速い攻めがあれば良いが、これで先手の攻めは一旦止まったように見える。 * *※「△3二同金でしたか」と中澤さん。石橋女流四段も△同金は有力という。 69 4五角打 70 5七桂成(65) *午前11時22分、残り時間は▲頼本さん19分、△中澤さん4分(持ち時間は各30分。チェスクロック使用)。 71 2五飛打 *この手は詰めろ。▲2三角成の狙い。 72 1二金打 *しっかりと受ける。 73 5四角(45) 74 2二玉(32) *ここで頼本さんが考えている。頼本さんは自陣と敵陣を交互に見ている。 *中澤さんは自陣しか見ていない。先手に攻めが無ければ勝ちと見ている。 75 5七金(48) *飛び道具を補充。 76 同 馬(68) 77 3五桂打 *後手玉に迫るが、まだ詰めろではない。 78 3九銀打 79 1七玉(28) 80 2四金打 *上から押さえる。これで中澤さんは残り50秒となった。頼本さんの残り時間は15分。 81 同 飛(25) 82 同 歩(23) *※飛車を取る前に△3五馬の王手を利かせておけば盤石だった。 83 3六金打 *頼本さんは粘る。ここから中澤さんは1手30秒の秒読み。 * *※「これは良い粘りだったね」と石橋女流四段。 84 3二金(41) *秒に追われて金を上がった。 85 1五歩(16) *勇気を振りしぼって1筋を突く。 86 5六馬(57) *残り1秒で馬を引いた。 87 3二角成(54) *頼本さんは狙っていた。 * *※「85手目▲1五歩に△1五同歩は▲2六玉が気になりました。この筋は気づいていませんでした」と中澤さん。 88 同 玉(22) 89 4三銀打 90 同 歩(42) 91 同 金(44) 92 2二玉(32) 93 3二金打 94 1三玉(22) *85手目▲1五歩が生きている。 95 1四歩(15) *ここで中澤さんは投了を告げた。△1四同玉に▲2六玉で、香車が利いて後手玉は詰んでいる。頼本さんの大逆転勝利となった。 * *敗れた中澤沙耶さんは12時より、大阪大会優勝の里見咲紀さんと対戦する。勝った頼本奈菜さんは13時15分から同じく里美さんと戦う。 96 投了 まで95手で先手の勝ち